化学物質化敏捷(CS)のお客様からの訴えで、
ガスコンロから猛烈な臭いが出てくることがわかりました。
システムキッチン内部から猛烈に化学物質が出ていることは、CSを勉強している我々には常識です。
ところが、ここのお宅はシステムキッチンのドアはすべてアルミテープで封止した上で、扉そのものの上からポリスチレンボードで厳重に風刺していました。
それでも、料理を始めるとガスコンロからものすごい化学物質が襲ってくる感じがするというのです。
そこでようやく気づきました。
みなさま、知っていますか?システムキッチンのガスコンロには、
一番奥のところに排気口が付いているんです。
ガスコンロの使用中には
そこから大量の空気が排気されます。
お客様は『ひょっとして、キッチン内部の空気が少し排気されているんじゃないか?』とのこと。
我々プロには常識だったので見逃していたのですが、
この排気はほぼ100%キッチン内部の汚染された空気なのです・・・
だから、料理中、コンロを使い始めると非常に辛くなるんです。
早速コンロの構造をご説明して、すぐに対策工事に入ることにしました。
とはいえ、ガスホースをはずすには東京ガス関連会社の工事が必要です。
至急手配して、職人さんも非喫煙者を捜し、作業着は水洗いで臭いを飛ばしたものをこちらで準備。
なおかつ朝一番で汗や他の化学物質(建築現場には化学物質があふれているので)の臭いが移っていない時間に工事を開始しました。
協力いただいた関係業者様にはひたすらお礼を言うのみです。
作業当日は、お客様ご本人がキッチンの出入口、開口部にはすべてポリエチレンのシートを貼ってもらい、作業中にキッチン内部から出てくる化学物質が室内に流れ出さないように厳重にふさいでおいてくれました。
さてこれが
コンロをはすしたところ

もう、思いっきり合板とパーティクルボードが
むき出しです。
私でも化学物質臭がはっきりとわかりますが、新築のキッチンに比べるとかなり臭いは飛んでいました。
それでもCSのお客様には辛くてどうにもならないんです。
中にはお客様が出すこともできず、そのままになっているなべが見えます。
そして、コンロの写真

コンロ内部はこのように
穴だらけなんです。
この穴から、キッチン内部の汚染された空気を吸い込んで、上部排気口からブチ撒けていたんです・・・
これではいくらキッチンを封止しても臭うわけです。
そこで、0.2mmのアルミシートで人造大理石のキッチントップを完全にふさぎます。
ガスコンロとからはふた周りほど空間を取り、キッチン前面の室内の空気だけを給気するようにしました。
作業が8割ほど進むと、CSではない私にもはっきりと部屋の空気が軽くなったのを感じます。
患者さんには相当の効果でしょう。

これならキッチン内部の空気は
全く漏れてきません・・・機械で強制吸気しているので、ここまで完璧に封止する必要があるんですね。
アルミシートは0.2mmとそれなりに厚くて丈夫なので簡単に給気圧に負けてつぶれません。
ですが、お客様には万一のことを考え、3口コンロですが全部同時に使わないように、
極力1口だけを使うようにお願いしました。
その後ですが、やはりキッチン中に臭いが付いてしまったため、
3日間程度はキッチンに出入り不能。さらにご夫婦ともに体調を崩されてしまいました。
しかしその後はガスコンロ使用時の不快感は格段に解消されて、今まで料理するのが大げさでなく命がけだったのが
一気に改善されたとうれしいご報告をいただきました。
さらに数日後、今までコンロからの化学物質がひどすぎて気にならなかったキッチン吊り戸棚や食器棚からの化学物質が気になるようになったとのご報告。
これも、ガスコンロからの猛烈な化学物質が出なくなったからわかるようになったそうです。
今後は徐々にそれらの封止のお手伝いをする予定です。
湿度の上がる梅雨時、そして気温の上がる夏場を迎えて、時間の猶予はありません。