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カナダからのメール

放射能を避けるためカナダに避難していた家族が帰ってきました。今はみんなで仲良く暮らしています。

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Sun

2013

房総半島自転車ツーリング1

-房総半島は意外とサバイバル-



2012年5月3日

ゴールデンウィーク後半の始まりです



ピコポンとママはカナダへ・・・



東日本大震災の直前の3/2に今の家を見つけ、翌日(正確には6時間後)に速攻申し込み。

そして3/11・・・



日本の将来はどうなってしまうのか?
先がまったく見えない。。。

そんな中、家なんて買ってしまってよいのだろうか?
正直、キャンセルしようかと何度も悩みました。

ローンの事前審査は地震の直後。

一社はお願いした支店が地震の影響で使えないため、別の支店での申し込み。
もう一社の方は計画停電におびえながらの申し込みとなりました。



そんな最中にカナダからメールが一本届きました。
ママが若いころにホームステイしていたカナダのおばあちゃんからでした。



『日本は危ないから、すぐにカナダに来なさい』

本当にありがたい話です。
ですが、引越し準備もできていない。
古い家も売らなきゃいけない・・・
しかしパパは仕事が忙しいので
『売るのは後でいいよ」」
って言っていたんですが、ママが売却先のハウスメーカーを見つけてきた。
なのですぐには出国できません。



必要書類をそろえ、契約の準備をして、4/20にピコポンを連れてカナダへと旅立っていきました。

古い家はママと共有名義にしていたので、書類に不備があったら売却が出来ません

(だって日本にいませんからね・・・)



で、日本に残ったパパは引越しとゴミの片づけをひとりでやっていました。

新居に引越して以来ほぼ毎晩、旧宅に荷物を取りに戻り、帰宅して荷物を運びこんでから風呂・食事・飲酒・・・

就寝が2時~4時という超ハードスケジュールの毎日。
しかもさびしさ満点、一人っきり・・・
さらに放射能のおまけつき



でも、この状態で子供たちがいたらまったく収拾がつかなかっただろうから、いなくて良かったとはいえる。。。



しかし、「せっかく家族がいないのだから、なんとかGWまでにメドをつけて気持ちよく7年ぶりのツーリング(自転車)に行こう」と疲れ切った体に鞭打って引越し作業の毎日。

暦通りにしか休みをくれない上、土曜もけっこう出社のわが社、今年のGWは1+1+3日という悲しい飛び石連休しか取れない。

子供が生まれて以来遠出が減ったので、長い連休にこだわらなくなっていたのだが、いざ独身生活になってみるとやっぱり有給をつないで7~9連休がほしかった!

それだけあれば、北海道でも九州でもいけるんだ!!



しかし、連休前の飛び石の二日の休みに一気に引越しを進め、なんとか遊びに行くメドが立ったのだからまあ良しとしよう



とはいえ、無理のしすぎで出発の前日には机の上に腕を上げるのもしんどく、階段を上がるのもヒーヒー言うほど疲労が蓄積していた。

それでも、行ってしまえばきっと何とかなる。

「無理さえしなきゃいい」というより、無理なんてできる体調じゃないので、チンタラ走って休みまくればよい。

ちっとでも前に進めば良いではないか!

誰に迷惑をかけるわけでもない。

そこが一人旅の良いところである。





私の愛車はトーエイ製のランドナーなので『トーエイ君』と呼んでいますが(そのまんまですが!)

すでに25年以上連れ添った古女房、と言うよりもとっくに体の一部になっています。

山奥で自転車が壊れたらそろって命取り。

だからどうしても異音や振動に敏感になるので、本当に体の一部といえるほど通じあえるようになるんです。



なんですが、さすがにずいぶん乗っていないので完全な整備不良。

最後にグリスアップ(バラしてベアリングなどにグリスを塗る作業)をしたのって、たぶん15年以上前じゃないだろうか?

タイヤだってチューブだって、当時のまま。

2年前に4時間ほど近くの河川敷を走ったのを除けば、2002年の能登ラン以来、なんと9年ぶりのまともなツーリングである。

整備不良になっているのも当然だ。

(ごめんなさい)



しかも引越しに手いっぱいで自転車の整備をする時間が全く取れないのでどうもならん。。。

それ以前に、睡眠不足と過労を何とかせにゃ!

そっちの方が重要だ。

きっとトーエイ君ならわかってくれる!



ぶっ壊れるときは一緒にな! 相棒!!



行先は房総半島にほぼ決定。

今の体調と休みの短さを考えると近場の方が楽だし、暖かいので防寒も減らせる。

(と、思っていたがこの時点で、すでになめていたのであった)



結局、旅支度を始めたのが前日の0時過ぎから。

しかもあまりに眠くて、途中で寝てしまった。

じっくり寝坊してから残りの荷物をまとめ、出発準備が固まったのが10時くらい。

なにしろ引越し後のゴタゴタで(まだ荷物が山積みのまま)道具はまだしも、ツーリング用の洋服類を捜すのにえらく手間取った。





苦労して荷物の山から必要なものを発掘し、いざ3日用の荷物をまとめてみると、テント装備だったこともあり長期ツーリングと比べてもたいして荷物が減らない。

そりゃそうだ。

いつも着替えは3日分しか持たないから、着替えの量はほぼ一緒。

テントもマットも寝袋も一緒。

違うのは自炊道具を減らしたくらいのものである。

それじゃ荷物が減るわけがない。

だけど、あまり重装備にはしたくないので、せめてテントの居住性を犠牲にして軽量小型の冬山用にした。



雨具のビニールポンチョが異様に場所をとっている。

「これはいかん、なんとかせねば」と、悩んでいるとすでに10時過ぎ。とっくにあちこちの店が開店している時間である。

どうも今日は寒いし、明日明後日はもっと寒くなるという。

しかも雲が厚い



天気予報では3日目が40%だが、今日は降らないはずなんだが・・・

と信じているがなんとも心細い天気である。

これで降ってきたら相当寒そうだ。



「こりゃ、防寒も兼ねてちゃんとした雨具がないといかんな」と、近所のディスカウント屋に買いに行った。

ついでにとっくに無くなってしまったチェーンロックも買い、帰りにツーリングマップルを買い。。。

雨具もゴアテックスは高すぎるので、偽ゴアですませた。なにせ値段が1/5である。

「登山に行くわけでもないから大丈夫!」

それにしても久々なので、道具が見つからなかったり、あっても古すぎたり。

こまったもんである。



ようやく支度を終えて、出発したのはなんと14時。



久々のトーエイ君じゃ~♪



「今からじゃ、着いたらすぐに夜だなぁ」なんて思ったりしたんだが、

買いもので時間を使ったのはとっても正解だったと数時間後には思い知らされることになる。。。





久々の輪行に多少手間取ったりもしたが、20分くらいで輪行できたので時間的には相当早かった。

これにはちょっと嬉しかったね。



「まだまだ現役でいけるじゃ~ん」って感じ。



さて荷物と自転車を担ぐと意外と重くない。

量はたいして少なくないが、さすがに長期ツーリングとは重さが違う様である。

まだ行先をはっきり決めていないので、とりあえず木更津までの切符を買う(同料金で君津まで行けるので)

ホームまですいすい歩いて電車を待つが、バタバタしすぎたせいなのかイマイチ旅の実感がわかず感動も何もない。

その上木更津を過ぎるまでは通勤電車なので、ビールを飲んだり弁当を食べたりするわけにもいかず、何とも旅立ち感がない輪行である。

近場だから仕方ないんだけどさ。



2回乗り換えがあったが、2回とも待たずに次の電車へ。

ちょっと腹が減ってきた。

しかし乗り換えのタイムラグがないので、なにも買うヒマがない。



途中、雨が降ってきた。

ドンドン本降りになり、ついには土砂降り!

しかし、「房総の先端方面は天気がいいはずだ」と無理やり信じ、

カナダのママとメールのやり取りをしながら先へと進む。

まるで国内でやり取りをしているようで距離感がまったく無い・・・



そもそも、現役サイクリストの頃(25年前)って、携帯もデジカメもなく、一旦地方に行ってしまったら誰とも連絡が取れなかったもんなぁ。

文明の利器って本当にすごいです!





千葉駅まで来て、ようやく雨が上がってひと安心。

やっぱり天気予報はあたってたなぁ!







そうこうするうちに君津駅に到着。

ようやくここから本格的なローカル線だ。

ホームに降りると、次の電車は20分後の出発である。



駅構内には売店が全くないが、周囲見まわすとコンビニやスーパーはある。

しかし、君津では都市近郊区域なので途中下車はできないかもしれない。

20分もあれば組み立てて走れるし、このまま電車で行くのと比べても30分程度のロスか?

「このままだと到着時には暗くなっちゃうし、だったらせっかくだから走ろう」

「すっかり腹も減っているし!」



ってことで、君津で改札を出て外に出ると、微妙に降ってるような降っていないような、でもたまにポツリと来ている。



屋根のあるところまでトーエイ君を運び、そこで組み始める。





袋の中ではこんな感じにトーエイ君が納まっています・・・



「今からですか~?」

と言う声に振り返ると、女性サイクリストが君津駅に到着した。

なんか、こんな出会いも久しぶり。



サイクリスト同士の連帯感って、いつになっても心地のよいものです・・・



彼女は雨が降ってきたからここから輪行して帰るそうである。

「かなり降られました~」とのこと

確かに彼女は雨具を着ている。

「雨ですか、いやだな~」

二言三言かわしながら、急いでトーエイ君を組み立てる。



組み終わってサドルをつけると、それまで鉄の塊だったトーエイ君に命が入り、長年連れ添った相棒へと戻る。

『画竜点睛』みたいなもんかなぁ?



荷物を載せれば立派なツーリング仕様である。

「今回もまた、よろしくね」

とトーエイ君に挨拶をしてサドルをまたぐ。

彼も喜んでいるのが伝わってくる・・・・

今までどおりだ。



さあ、出発だ!





まずは目の前のコンビニまで(笑)

軽くおなかを満たして、県道159号で大貫方面へ向かう。

雨はもう落ち着いたのだろうと願っていたんだけれど、しっかり降ってきた。

しばらくの間は我慢して雨具を出さずに走っていたが、いよいよ限界を超え、買ったばかりの雨具を出す。

今まではツーリングでもクライミングでも、めったに雨に降られないのだが、今回はいきなり降られちゃったな~



久々なのに、いきなりの雨中ラン。

しかも、相当寒い。

やっぱりわざわざ雨具を買ってきて正解だった。

夏用のレインポンチョだったら寒くてどうにもならんところである。



君津から、軽く登って下り、線路沿いに少し走ると佐貫町の駅に着く。

泊まるにはベストな無人駅だったがスーパーも何もないので晩飯が買えない。

「君津で買っておけばよかった」

と後悔するが仕方がない。

すでに暗くなってしまったが、ランプを点けて隣の上総湊駅へと向かう。



上総湊の町につくころには雨もほとんど上がるが、何しろ寒いので雨具を脱ぐことができない。

とにかくここで晩飯を買わないとこの先では期待できそうも無いので必死に捜す。

町外れでようやくスーパーを見つけたが、まずそうな寿司とヘニャヘニャの刺身しか買えなかったのが残念。

(美味い刺身に期待していたのに~!)

その代わりにアルコールだけはたっぷりと仕入れて、ずっしりと重くなったトーエイ君とともに上総湊駅へ。。。



到着してみると、上総湊の駅は駅員さんが常駐しているみたいなので泊まるのはあきらめ。



隅っこで屋根の無いところでは、雨が降ったら濡れちゃうので屋根の下がいいからね~



「隣の竹岡駅ならばきっと無人駅だろう」

と、期待を込めて暗い中をひた走る。



たどり着いた竹岡駅は予想通りの無人駅で、予想以上にテント泊にはベストな駅で一安心。



真ん中にあるのは



セルフのsuicaの機械でした

初めて見ました。



待合室のベンチに陣取り一息つくとようやくお楽しみの食事~アルコールの時間である。

すでに8時、いきなり初日なのに遅い時間まで走ってしまったものだ。



食べてみると案の定寿司も刺身もまずかった。



しかも、久々に飲む本物のビールなのに、寒くてガタガタ震えながらじゃ、半分拷問だ

がっかり・・・



その後は地酒を飲みながら読書の時間。



昔だったら幸せなひと時のはずだったのだけど、

子供たちがいないのやっぱりはさびしいなぁ!

  (;oA)




やっぱりピコポンが相手をしてくれるうちは、ツーリングにはいけませんねぇ。


一緒の方がいいや~







それにしても『寒い!!!』

Tシャツ+長袖+トレーナー+雨具

着るものはすべて着てしまった。

それでも寒い。

とにかく寒い!

少し場所を移動したら少しはマシにはなったが、やっぱり寒い。

23時の終電が過ぎるまで外で酒を飲みながら外でマッタリするつもりだったが、もうテントを張ってしまおう。



待合室でテントを張りかけたが、念のため周囲を歩くとすぐ裏に自転車置場の屋根が見つかった。

自転車とバイクが一台ずつ置いてあるが、今夜はもうこのままなんだろう。

今夜は雨が降るかもしれないから、やっぱり屋根の下が良い。

と言うことで、まったく悩まずに決定!



テントを設営していると、自転車の持ち主の若い女の子がやってきた。

こんな夜中におっさんが一人でテントを作っている、すぐ横に自転車を取りに来るのって、若い女の子にはずいぶん勇気が必要だったと思う。

「あ~、すみませ~ん」明るく声をかけたが、少しは安心できただろうか?

(余計に怖かったかも?)



ずっと使っていなかったので、フライ(テントの外側に張る防水用のシートのこと)がベタベタになって、貼りつきまくっている。

破かないように気をつけながらベリベリ剥がすが、手はもうすっかりベタベタだ。

考えてみればこのテントは冬山専用。

なんと20年近く使っていなかったはずである。

劣化するのも仕方がない。



しかも、雪上用のバカでかいペグが山ほど入っていた。

重いわけだ・・・

ちゃんとチェックしない、俺っておバカさん(笑)



そうこうしながらもようやくテントを張り終え、中に転がり込むと、「やっぱり暖か~い!!!」

改めてランプの明かりで読書をしながら酒を飲んでいると、今度はバイクの持ち主が帰ってきたらしい。

「ブルンブルン」って音とともに去っていった。



結局何時だったろうか?

しばらく飲み続けた後、眠くなったところで今日一日が終わった。
なんだかんだ言っても、長かったなぁ・・・
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