と、
『お~○○、なにしとんねん!』仲間が5人くらい歩いてきた。
やっぱりホームレスじゃね~か!
みんな洋服がヨレヨレで汚いってば
『この人、いい人やねん!』
この一言で全員のビール代を払うはめに・・・
そして、そのまま強引に宴会に突入(させられた)
しかし不思議なのが、ホームレスなのにみんな元気で滑舌が良いことだ。
私がたいてい見かけるホームレスの人たちって元気がなくってフラフラしている。
そのうえ、何をしゃべっているのかわからないくらいに発音がおかしくなっている人ばかり。
なのにこの人たちはまるで違う。
じゃ、普通の人かというと、そうではない。やっぱり怪しさ満点なのである。。。
いきなり襲ってくるような雰囲気はないものの、6対1ではどうやってもかなわない。
すでにこれだけ盛り上がってしまうとこっそり逃げるわけにもいかない。
仕方がないので腹をくくって飲むことにする。
しかし、参ったなぁ
おれ、今夜どうなっちゃうんだろう?
そうこうしているうちに駅員が来て
『出口を全部閉めるから出て行って!』
最初のおっさんに言われた通り、駅から締めだされる羽目に
このころには『兄さんも色々大変やろうけど』
はんて、なんど打ち消してもまったく聞いてもらえず、
すっかり
新米ホームレス扱いされていたのであった。
リーダー格のおっさんが
『兄さん、ええとこあんねん。連れてったるわ~』
というと
『そやそや、あそこならゆっくり寝られるでぇ』とみなが言う。
『どこに行くんですか?』
と嫌がる私を
『え~から、え~から!心配いらんから早よ来いや!!』
と、みんなで私を囲んで強引に連れて行く。
道々、自販機を見ると釣り銭に指を突っ込み、機械の下に手を入れてお金を捜している。
あ~、やっぱりホームレスじゃんか・・・
ダッシュで逃げるにしても荷物が大きいから、簡単に捕まる。
まいったな、どうしよう?
しばらく歩いているとリーダー格の男が急に振り向き、にっこり笑って手を出した。
握手にしてはおかしい???
金か???
『いくらですか?あんまり持ってないですよ』
と聞くと
『1000円』(相変わらずニコニコ)
(1000円なら、ま、いっか)
と1000円を渡しながら
(ホームレス扱いの俺にずいぶんたかるんだな)
と思っていると再び饒舌に戻ったリーダー格の男。
『わしらは
フーテンちゅうねん。乞食とはちゃうで!』(どこがやねん???)
『わしらは野宿が好きでやっとんのや。乞食とちゃう!!』
別の男が
『そうや~、奴らは風呂に入らんから
臭い!』(え~!あんたがよく言うわ~)
『わしらはちゃんと週に一回は風呂に入っとる!』
言われてみれば、どうりで薄汚れているのに臭わないわけだ・・・
妙なプライドがあるのね。この人たち。
何度目かの問いに、リーダーがやっと行き先を告げた
『○○神社の社務所やねん』
『そこなら泊めてくれるで』
『こんな時間に行っても大丈夫なんですか?』
『お金はかかるんですか?』
ときいても
『大丈夫!大丈夫!』
と言いながら有無を言わさず連れてゆく。
向こうで大勢に囲われたらどうしよう?
と思いながら歩いていると、しばらくするうちに、一人欠け二人欠け、とだんだん人数が減ってきたのでチト安心する。
社務所についてみると、
案の定真っ暗で人気がない。
夜中の12時過ぎなんだから当たり前だ。
どうするのかな?と思っていると、ズカズカと敷地の中に入って行き、社務所の裏に廻った。
すると、
軒下に巾1m程のコンクリートの台があり、布団が置いてある
・・・・・
ここか! (ToT)モロに公園に面していてまる見えの割には全く人気が無い。
仲間を大勢呼ぶには最適だ。
こいつらが素直に帰っても、通りかかった他のグループに身ぐるみはがされる可能性もある。
む~、危険な香りがムンムンするぞ
尻ごみしている私に、『大丈夫大丈夫』と言いながら仲間が布団を広げてくれた
『明日の朝には仲間が散歩に来るから安全やで』
(その方が危険だろ・・・)
『そいつ、あそこに(指さしながら)家があるのに、好きでフーテンやっとるんや。良くおごってもらっとる、えぇやっちゃで』
『ちょっと変わっとるんやね~』
そして
『じゃあ兄さん、気ぃ落とさんとがんばるんやでぇ』
『ええか!今度京都に来たら、○条大橋を渡った向こう側の橋の下におるから!絶えっ対に訪ねてこいや!!!』
『うまいいもん、た~っぷり食わせたる!』
『普段の食事はどうしてるんですか?』
と聞くと
『こいつが上手ぃこと集めてき~よるんや』
『えへへ・・・』 (^^ゞ
(きゃ~、やっぱりぃ~!!)
『わかりました』
と言うと
『ええか、○条大橋を渡った、向こうっかわの橋の下やで~。こっちっかわにも別のがおるから間違えんといてや~』
と言いながら去って行った。
さて、残されたダニがいっぱい住んでいるであろうこの布団。
さすがに気持ちが悪い。
布団はたたんでマットにシュラフで寝ようと思ったんだけど、明朝仲間が来たときにまたゴチャゴチャ言われるのも面倒。
なので、布団の上に銀マットを敷いて寝た。
明日は仲間が来ないうちに早起きして出発しよう・・・
こうして波乱の1日は終わったのであった。
が、
to be Continue
なのである。
話しはこれから、さらにヒートアップ・・・
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